【JWM・NEWS】沖縄で実現する新しい働き方~ウェルネスワーケーション~
沖縄で実現する新しい働き方~ウェルネスワーケーション~

沖縄でで叶える新しい働き方
ワーク×バケーション=「ワーケーション」は、リモートワークの急速な普及や働き方改革推進を背景に新しい働き方として社会的認知が高まり、ウェルネスツーリズム、地域経済の活性化、メンタルヘルス、企業の人材戦略の分野においても成長が期待され、観光地や地方自治体でもワーケーション誘致の取り組みが本格化している。
「沖縄ワーケーション促進事業」の取り組み
近年では長期滞在型ワーケーションや、ウェルビーイング重視のリゾートワーケーションが増加傾向にある中、圧倒的なリゾートロケーションを有する沖縄県でも、滞在日数延伸、来県時期の平準化、将来的な移住、企業誘致を図る目的で、沖縄ワーケーション促進事業を2020年より本格始動。コワーキングスペースの充実、宿泊施設のワークスペース改修支援、インフラ整備、誘致プロモーションイベント、ワーケーションモニターツアーを実施し、効果検証と課題分析に取り組んでいる。
冬でも温暖な自然環境と琉球文化を享受し心豊かに仕事を
コロナ禍を機に新たな観光ツールの確立として始動した沖縄ワーケーション促進事業は、ワーケーションの利用形態やニーズの多様化に応じて、提供プログラムを進化させている。
令和6年度沖縄ワーケーション促進事業では、第一弾2024年6月(北部エリア)「やんばるの大自然を体感する」、第二弾2024年11月(中部エリア)「沖縄の歴史と食文化に出合う」、第三弾2025年1月(那覇エリア)「沖縄の文化と夜時間を楽しむ」を掲題に地域の特性を活かした3つのモデルプランを作成。北部、中部2つのエリアでの実証実験で見えてきた課題は「ワークとバケーションのバランスとフレキシブルな仕事環境、移動時間、費用」だった。

沖縄の文化と夜時間を楽しむ
第三弾では課題をアップデートしたプログラムを組み、2025年1月14日~17日の4日間「那覇で過ごす4日間のリアルな日常体験Day to Night」ワーケーションモニターツアーを開催した。
「那覇で過ごす4日間のリアルな日常体験Day to Night」実施
参加者は、エンジニアリング、テクノロジー大手企業、中小企業経営者、アナウンサー、個人事業主など多種多様な職種の12名。滞在ホテルを拠点に3ヶ所から選べるコワーキングスペース利用、自由参加のアクティビティ(聖地の森・斎場御嶽と南城美術館で歴史文化に触れるツアー、国際通りの裏側を歩く壺屋やちむん通りめぐり)、リアルタイムな夜の沖縄を体験するBARHOPPINGなどフレキシブルなプログラム提供を受け、仕事メイン、バケーションメインと各々のモチベーションでワーケーションを体験。
アクティビティに同行できなかった参加者も夜は那覇市内でのBARHOPPING、沖縄経移住験者との交流を楽しみ、職場と離れた土地で参加者同士が親交を深める心豊かな時を享受した。ツアー最終日はクローズセッションが行われ、「タスク業務もリフレッシュも叶えられた、沖縄那覇でのワーケーションを推進したい」「那覇の楽しさ過ごしやすさを実感」「参加者同士の異業種交流が素晴らしかった」「コワーキングスペース設備が充実し作業効率が良い」「観光の魅力にとらわれがちだが、 率直に仕事をする場所としても最適」「沖縄拠点を決めた」など参加者の好評を得て終了。仕事効率、生産性向上と観光振興、地域交流を両立させるベストプラクティスを共有したワーケーションの実現となった。主催運営側は「今までの最も効果の見えるモニターツアーとなった。ワーケーションをきっかけに沖縄に移住する方が増えてくることも期待したい」と話した。
観光立県「沖縄県」の新たなフェーズ
日本屈指のリゾート地として観光産業を重要な経済基盤とする沖縄県は、コロナ禍で落ち込んだ観光客数もコロナ禍前の8割超に回復しインバウンド需要も回復傾向にある。また、県内企業数は2022年時点で約17,000社と全国伸び率は1位(出典:帝国データバンク)とする一方で、那覇空港の滑走路過密化による離発着の限界や、県内ホテルラッシュに伴う供給過多(年間約3,000室ベースで増加)など様々な課題も浮き彫りになっている。宿泊施設側では差別化を図るため、企業の福利厚生契約、サブスクリプションサービスなど新たな戦略を打ち出すなど新たなフェーズに入っている。

沖縄ワーケーションモニターツアー・セッション風景
オフシーズンの需要確保、滞在日数の延伸に繋がるワーケーション事業は県にとっても重要な施策として位置づけられ、支援体制(企業向けワーケーション導入支援・モニターツアーの実施・ワーケーション施設の利用補助)、インフラ整備(コワーキングスペース整備・ ホテルやリゾート施設のワークスペース設置)、地域との連携(地元企業との協力体制・地域文化プログラムの提供)などに力を入れ、企業の働き方改革との連動を図りながら、他県との差別化を打ち出している。
ウェルネスとしてのワーケーションの役割は、日本のその土地の自然資源、観光、地域文化を享受しながら、いかに心豊かに仕事をこなしていくかにある。今後ワーケーションは新しいライフスタイルとして定着し、企業と地域、人と人が繋がる新たなコミュニティ形成の可能性も期待される。
令和6年度沖縄ワーケーション促進事業主催:沖縄県文化観光スポーツ部観光振興課、企画運営協力:(株)リクルートライフスタイル沖縄/一般社団法人日本ワーケーション協会/(株)HOT沖縄総合研究所/東武トップツアーズ株式会社 沖縄支店

国際通りの裏側をガイドと歩く 自由参加のアクティビティ

設備が充実コワーキングスペース howlive