【JWM・NEWS】次は「ペット×ウエルネス」の新市場も
ペットの存在は “家族” や “パートナー”に
国内のペット産業はここ10年ほどで大きく成長しており、少子高齢化・単身世帯の増加を背景に、ペットの存在は、 “家族” や “パートナー”に変わってきた。飼育数は微減傾向だが、1匹あたりの支出額は増加しているという。今後も高付加価値サービスやヘルスケア領域への拡大が見込まれている。
ペット産業の専門展示会に見るペットビジネスのウエルネス化
4月3日~6日に開催されたペット産業の専門展示会「インターペット」(、東京ビッグサイト東1-8ホール)には、ペットフード・おやつ、ファッション、旅、ヘルケア・ビューティ関係など950社以上が出展し、多くの来場者で賑わった。
フード関係では、人の抗加齢対策で知られる機能性素材をペット用として企画したサプリメントやおやつが多数出品、コラーゲン、プロテイン、乳酸菌、CBDなどや、鹿などジビエなど多岐にわたった。専用空気清浄機などの暮らしをサポートする空間機器やペットテック、トイレタリー製品、またペット専用の手技での免疫マッサージ、整体、スキンケアなどの資格サービスも出展されていた。
人からペットへのビジネス展開もスタート
人向けの事業に加え、3年くらいからペット向けへのサービス展開を始めた企業も多い。MTG「ReFaファインバブルプロフィット」、大正製薬「ビオフェルミン🄬S」、ニッピのコラーゲン「コラーゲットプロ」や、Panasonic次亜塩素酸空間除菌脱臭機「ziaino」、温活「HOTGETHERラジウム温熱器」(沖縄温熱FLIEDER INC.)など。
Amazonはペットのフードやグッズのプライベートブランドだけでなく、暮らし健康に寄り添う。「安心保険」「セルフチェック」などのサービスも紹介していた。病気予防のための検査サービスも出展されている。あすか製薬メディカルは「ネコ体毛ホルモン量測定キット」を初展示。日東紡績はネコに多いという慢性腎臓病や、膀胱炎のリスクを発見するセルフチェックアプリ「ネコプロ(nekopro™)」を展示。今年8月に発売予定という(日本獣医生命科学大学共同研究)。
長年ペット用サプリメントウォーターをつくるペットボトル提供の「ROZAI BOTTLE」や、酸素補給水「PremioAqua⁺」(穂栄)、近年人でも注目されている口腔ケアでは、歯科医師が愛犬のためにつくった漢方の鶏血藤を配合した歯磨きジェル「OnePeriar」(OnePeriar)が初出品された。
24年には2兆円市場へ 健康意識や安心・安全への意識が高まり
矢野経済研究所の調べでは、ペット関連総市場規模は2023年1兆8,629億円、24年には1兆9,026億円(前年度比102.1%)に伸びると予測する。また、「ペットフードでは、プレミアムフードよりもさらに一段高い価格帯のスーパープレミアムフードとして “エサ”ではなく“ごはん”と呼べるような、食材、生産品質、見た目にこだわったヒューマングレードフードの販売が拡大している」とプレミアム化の傾向を説明する。人の少子化と同様に、健康意識や安心・安全への意識が高まりから、送り手側の高単価傾向始まっていることがうかがえる。人と同様のケア・生活環境から、エシカル志向、ペット同伴可能施設の整備などへ。次に、人間とペットの双方の心身の健康を支える一つ上の「ペット×ウエルネス」という新しい市場・サービスも登場していくだろう。