【JWM・NEWS】沖縄で実現する新しい働き方~ウェルネスワーケーション~②

冬の沖縄ワーケーションで体得するウェルネス効果

2025年1月14日~17日の4日間、沖縄ワーケーションモニターツアー「那覇の街で過ごす日常体験ツアーDay to Nighat」が開催された。令和6年度沖縄ワーケーション促進事業では、北部・中部・那覇の3つのエリアに分け、各エリアならではのアクティビティや地域住民との交流を通じて得られるウェルネス効果、沖縄ならではのワーケーションの魅力を提供した。

神聖な空気漂う斎場御嶽

非日常体験がモチベーション向上の動力に

夏のバケーション、リゾート観光地のイメージが強い沖縄だが、冬でも平均気温15℃と温暖な気候で、花粉症の主な原因となるスギ、ヒノキ花粉の飛散も少ない。また、オフシーズンの沖縄は観光客が比較的少なく、主要交通機関「ゆいレール」や、幹線道路の混雑度も低く、目的地までの移動利便性も良い。今回は、そんな冬の沖縄の利点を活かし、那覇市を拠点に仕事と休暇の両立させるフレキシブルなスケジュールが提供された。ワーキングタイムは、滞在ホテルから徒歩7分圏内にある3つのコワーキングスペースから各自が選択した施設を利用。オープンスペース、個室ブース、WEB会議スペース、交流スペース、ITセキュリティ、Wi-Fi設備、無料ドリンクなどが完備され、ロケーションが良く快適な空間で、各自タスク効率を高めた。アクティビティは、自由参加のオプショナルツアー「世界文化遺産・斎場御嶽(せーふぁうたき)と南城美術館を訪れる特別プラン」、「ガイドとめぐる壺屋やちむん通り」が用意された。

沖縄県南部・南城市に位置する世界文化遺産「斎場御嶽(せーふぁうたき)」は、琉球王国時代からの祈りの場として崇められた沖縄の聖地。ツアーには4名が参加し、現地ガイドの説明を受けながら、神聖な空気漂う御嶽内の六つのイビ(神域)を巡り、琉球王国の歴史や、生息する貴重な動植物に触れる機会を拝受した。次に訪れたのは、斎場御嶽と同じ山の中にあり青い海と空が一望できる南城美術館。開催中の蜷川実花展with EiM~光の中で影と踊る~を鑑賞し、心に彩をもたらすひとときを過ごした。「ガイドとめぐる壺屋やちむん通り」には7名が参加。国際通りの裏側に位置するやちむん通りは、琉球王府が各地に点在していた陶窯をこの地に集めたことから始まった焼き物の地。琉球王国時代に造られた特有の登り窯、ガジュマルの木の下の共同井戸、赤瓦屋根の古民家が立ち並ぶ石畳の坂道を、地域ガイドの説明を得ながら巡った。琉球の歴史、文化に触れ、今なお県民の生活に根付く息づく古代信仰を知り、あらためて沖縄への興味を深めた。職場、仕事から離れた非日常時間は心身をリフレッシュさせ、仕事へのモチベーションと集中力を高める動力に。

沖縄移住経験者との交流

3日目に開催された「沖縄事業展開セミナー」は、沖縄に拠点を置く企業3社が登壇。沖縄進出ステップにおいて、ゆいまーる(助け合い)の精神が根付く県民性を意識した関係構築、積極的な交流会参加、時間概念(良い意味のアバウトさ)など、事業展開経験者が肌で感じた施策が提言された。主催側は沖縄県の行政支援として、補助率の高い助成金利用、DX推進、若年層雇用促進など事業開始の環境メリットを紹介。また、ワーケーションの新たな在り方として、那覇市に企業拠点を置きながら、北部エリアや離島で心身をリフレッシュする沖縄県内ワーケーションにも触れた。夜は沖縄移住経験者との交流機会が儲けられ、国際通りから奥に進んだ場所にあるスタンディングバー「awabar okinawa」に移動。沖縄移住経験者が店長を務め、泡盛やクラフトビールなどが楽しめるawabarは、起業家達が集まる場としても知られている。ここでは移住経験者と活発な意見交流が行われ、新たな関係構築へと発展した。

モニターツアーの成果と課題

モニターツアー ディスカッション風景

今回のツアーは、フリーランス、ITエンジニア、人事コンサルタント、企業経営者など12名が参加。LINEグループを活用した情報共有も呼びかけられ、様々なバッググラウンドの参加者間での交流を深めた。仕事から解放された時間は、ディープな夜の那覇の街バーホッピングを共に楽しみ、そこから新たなビジネスチャンスも生まれた。ワークバランスコントロールが困難としていた参加者も、滞在日数を重ねるごとにタスク効率も上がり、働き方の柔軟性を体得したと話した。ワーキング拠点への移動利便性と、アクティビティ参加での非日常体験をその理由に挙げた。今回ツアーをきっかけに沖縄拠点を決めた参加者もいた。課題としては費用負担や、就業規則、労務管理の整備などが挙げられたが、参加者の満足度は総じて高く、沖縄ワーケーション実現の可能性を高めるモニターツアーとなった。

拝所 三庫理(サングーイ)

壺屋やちむん通り現存する荒焼窯 南窯(ふぇーぬがま)

南城美術館 蜷川実花展withEiM~光の中で影と踊る~

沖縄移住経験者と交流を深めた「awabar okinawa」